KMさんの合格体験記

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FKさんの合格体験記

東北大学
(薬学部)

 KMさん


得意科目:英語・国語
苦手科目:数学・理科・日本史
・2021年度卒(現役)

科目別の取り組み

【国語】

 国語はもともと得意科目で、苦手意識がなかったため楽しんで勉強をすることが出来ました。その中でも、古文、漢文は特に単語を重視して学習していたように思います。もちろん文法を覚えることも重要ですが、単語の意味が分からなければ文章の流れや内容を正しくつかむことはできないため、一つ一つの単語をおろそかにせず、意味を覚えました。また、古文の助動詞の意味を判別でき、さらに単語ごとの意味を正確に知っていると理解が深まるため、学校の授業などで扱う文章はかなり細かく分解しながら予習・復習を行いました。

【数学】

 数学は、一年生の時期にはしっかりと学習ができており、しっかり基礎固めができたと思います。しかし、学習が進んでいくにつれてかなり苦労した教科でした。特に、数学Bの数列や、数Ⅲの全体的に理解が追い付かず、分からないところに手を付けるのが億劫でそのままにしてしまったことが受験期に一番後悔したことでした。時間があるうちに理解できていないところはしっかり勉強しておくことは重要だと思います。共通テストの数学はとても難化して、平均点もかなり低いテストでしたが、それでも自分が取らなければいけないと考えていた点数には遠く及びませんでした。本番で緊張していたこともありましたが、長い文章を整理しながら読み進めていかなければならない問題が多く、あせって落ち着いて考えることが出来なかったため、事前に似たような形式に慣れておくといいと思います。二次試験に向けた勉強は、時間がない状況ではありましたが、一問一問にじっくり取り組むことを意識しました。東北大学の過去問や学校で配られていた問題集の問題を中心に解いていく中で、すべてを自分で解ききることはなかなかできず、問題によっては初めのとっかかりさえつかめないことも多かったです。解答を確認する際には細かい定義やなぜこの解き方がでてきたのかなど細かいところまで考え、少しでも納得できないところは先生方や友達など、周りの人たちに聞くことでとことん向き合うようにしながら勉強を進めました。東北大学の前期試験本番では、難しくてわからない問題も多かったですが、その中で解ける部分を見極めて解けない問題は思い切って解かない判断が本番中にうまくできたことが良かったと思います。逆に少しでも進められそうなところは、最後まで回答できずとも粘ることも重要だと感じました。

【英語】

 英語も、国語と同様に単語には力を入れていました。高校一、二年生の頃にはあまり受験に対しての意識が持ちきれず、ピンと来ない人も多いと思いますが、それでも単語の勉強をこつこつしておくことは、後々かなり強みになると思います。私の場合は学校で毎週行われていた単語テストは絶対に落ちないと決めて、三年生の最後まで続けられたことが受験期に大きな助けになりました。単語を知っていれば読める長文の幅も広がる上に、理解も深まりますが、受験前に勉強を始める余裕はないと思います。時間のあるうちに固めておくといいと思います。また、教科書の例文や会話文、スクリプトなどを音読しながら定期テストの前などに丸暗記して勉強をしていたのですが、これが文法の使用例を覚えていることにもつながり、長文に対する苦手意識も減らすこともできたと思います。共通テストでは長時間ひたすら長文を読み続けたり、リスニングの問題に集中し続けたりしなければならないため、苦手意識を減らして、練習を積んでおくことは大切です。また、二次試験で出題される長文は理解が難しい問題文に対して記述をしなければならない問題も多かったのですが、環境問題や時事的な話題などを知っていれば推測できることも多いため、いろいろな問題に触れておくことや、日本語で要約したり日本語訳したりする国語力をつけておくことも得点につながるなと感じました。

【化学】

 化学は、特に有機化学に苦労しました。応用的な問題ができなかったというよりも、その前に基本的な考え方が頭に入って来ず、何を求められているのか理解することが大変でした。一度わかるようになれば速いとは思いますが、私は受験のかなり直前まで苦手意識を抱えたまま進んでしまいました。早いうちから予習しておくといいかもしれません。無機化学は暗記が多く、気合を入れて覚えようとしないと難しかったのですが、全体を通して様々な部分につながりを見つけて、関連づけて学習していくと、記憶の定着にもなる上に、二次試験での応用的な問題にも落ち着いて取り組めるようになると思います。 

【物理】

 物理は、初めは一番苦労した科目でした。習う公式が全く馴染めず、どこでどう使えばいいのかや、どういう意味を持っているのかがいまいちしっくり来ず、問題を解いていてももどかしい気持ちが強かったように思います。それでも我慢して勉強をしていくと、単元が進んだり、触れる問題が多くなるにつれてじわじわと理解できるようになっていき、受験の前には難しい問題でも自分で理解しながら解き進めることが出来るようになりました。最初はわからなくてもあきらめずに細かいところを繰り返し考え、教科書の定義や公式の導出の流れに立ち返ることが大切だと思います。少しずつ理解できるようになるにつれて苦手意識よりも解けるかもしれないという期待感の方が大きくなって、得意とは言えませんでしたが、あまりストレスなく勉強を続け、受験にも臨めました。一人で考えることは難しかったため、先生にたくさん助けていただいたし、友達とともに議論しながら解き進めた経験は、試験おいても思考の手助けになりました。

【日本史】

 日本史は、もともとあまり知識もなく、また覚える量がとても多かったため苦労しました。中学校までで習っていた歴史よりもはるかに深いところまで頭に入れなければならず、共通テストの前のかなりぎりぎりまでなかなか点数を取れませんでした。なんとなくでしか覚えていない部分が多く、細かい知識が求められる問題には全く対応ができませんでした。まわりをみていても、早い時期から歴史漫画などを活用して流れをつかんでおくととても楽に勉強が進められるのではないかと感じました。私自身は遅い時期までなかなか流れをつかみ切れていなかったため、早いうちから手を付け、忘れても何度も覚え直して記憶を定着させておけばよかったなと強く思いました。

共通テスト

 共通テストは、遠くの大学まで受けに行かなければならず、電車を用いて会場まで行きました。当日は風が強かったために電車の遅延があり、一時間以上寒いホームで待たなければならず、不安もある上に寒さもあり、とても緊張しました。思う以上に余裕を持った計画を立てることや、様々な状況を想定して心の準備をするといいと思います。

 私は、東北大学の薬学部を志望しており、AOⅢ期を受けようと考えていました。この共通テストでうまくいけば、少し早く合格を決められるかもしれないという甘い期待をしていたこともあり、さらには失敗してはいけないという緊張もすごく、平常心を保つことが出来ませんでした。一日目の文系科目では失敗したという感触はなかったものの、手ごたえを感じるほどでもなく、微妙な気持ちのまま二日目の理系科目に向かいました。志望学部では、理系科目の配点が大きくなり、文系科目の点数が圧縮されるため、理系科目を失敗できないと考えすぎていたように思います。共通テストの前の時期に、緊張からか食事が思うようにできず、特に当日には気持ち悪くてほとんど食べられず、試験時間中に頭がうまく回らなかったり、低血糖からか震えが止まらなかったりと大変でした。特に数学と化学では焦りもあってか普段通りに解き進めることが出来ず、悔しい思いをしました。食事と睡眠の管理をすることは人によっては難しいことではありますが、それでもコントロールして臨むことは大切だと身に染みて実感しました。結果的に、想定していた点数にはまったく届かず、AOⅢ期では足切りをされました。私の良かった点としては、切り替えを上手にできたことが挙げられと思います。共通テストの直後は絶望的な気持ちになりましたが、やってしまったことは仕方ないというマインドで、二次試験に向けて勉強に切り替えていくことが出来ました。

個別学力検査

 私は、もともとマークテストの勉強よりも記述でがっつり問題を解く方が好きだったため、共通テスト対策はかなり苦痛だったのに対して、二次試験の勉強は比較的楽しく行うことが出来ました。私は二次試験で数学、英語、物理、化学の四科目を受験しました。共通テストが終わってから二次試験までの期間は一か月と少しで短く、また二次試験に出てくるような問題は時間のかかる重いものが多いため、間に合わないかもしれないと焦り、怖かった記憶があります。私の場合は英語が比較的得意で、安定していたため、二次試験の前の時期にはあまり時間を割かず、時々触れておく程度にとどめました。その代わりに理系科目に時間をあてて、じっくり学習を行いました。学校の課外で問題にたくさん触れ、家では細かく解き方を確認して考え方を身に付けていきました。

 二次試験の本番は、前日に現地に移動してホテルに泊まりました。慣れていない土地や初めていく会場だったこともあり、当日の交通手段や会場の様子を前日のうちに確認しました。当日の朝はとても混雑する上に、学部によって若干キャンパスや棟が異なってきてしまい、流れに乗って移動するだけでは少し不安もあったため、前日のうちに下見をしておいて良かったと感じました。共通テストで緊張していたのとは対照的に、二次試験は比較的落ち着いて臨むことが出来ました。再び失敗してしまったらどうしようという気持ちよりも、ここまで来たらあとは問題を解くしかないと感じていたと思います。共通テストに比べて一教科ごとの時間がとても長く、焦っても落ち着きなおして頭を整理する余裕を持つことが出来ました。

受験を終えて

 高校一年、二年生の時に一番力を入れて勉強を行ったことは単語と基礎を固めることです。受験の前には理系科目が大変で文系科目に力を入れる余裕はあまりないと前々から言われていたため、早いうちからこつこつと単語や文法の基礎を課題やテストを利用しながら固める事ができ、とても良かったと思います。共通テストの後に二次試験に向けて理系科目を重視して学習をしたかったため、英語には自信を持てていたことや、実際安定して点数を伸ばせていたこともあって英語に時間をかけることなく過ごせたうえに、一教科不安が減るだけで心の余裕も生まれたため、本当に良かったです。共通テストでも二次試験でも一番の得点源となっり、実際二次試験では英語ができたために合格できたといっても過言ではなかったです。早いうちから勉強しておいて損はないと思います。そして、私の場合は英語でしたが、それぞれが自信を持てる教科を作り、安心材料を作っておくことや、得点源となるように実力を伸ばしておくことは、余裕にも合格にもつながるのでぜひ頑張ってほしいです。

 共通テストの結果での東北大学薬学部の判定はD判定で、正直自分が合格しているところは思い浮かべることが難しい状態でした。それでも私が志望を変えずに出願したのは、もちろん東北大学薬学部に行きたいと強く考えていたからではありましたが、前々からここしか考えておらず、ほかの大学や学部についてのリサーチがほとんどできていなかったからでもあります。また、後期の出願についても思ったより共通テストの点数が取れなかったためにどこに出願してよいかかなりぎりぎりまで迷いました。時間に余裕のある学年のうちにもっと広く調べておくべきだったと思います。二次試験まで余裕がない中で前期に落ちた場合の後期について考えることは楽なことではないため、どこに出願するか固めるとまではいかずとも、選択肢としてはしっかり考えておくべきであったと痛感しました。1.2年のうちはあまり受験に対しての実感もわかず、さらにあまり自分が失敗しているとは想像したくなかったため、視野が狭くなったり、真剣にリサーチを行っていなかったりと、後から考えると後悔した点の一つでした。逆に良かったこととしては、高校生活を通して志望が安定していたことで、勉強においても受験の計画や対策についてもあまり迷うことなく進めることができ、無駄なく効率的にできたと感じました。

 実際に大学に合格して、高校の時のまわりの人たちの様子を見たり、同じ大学の人たちと話したりしていて思うこととして、共通テストの結果が悪かったからといってすぐに志望を変える必要はあまりないのではないかということが挙げられます。もちろん判定が良い方が安心できますし、実力通りの結果であることもありますが、一月、二月ではみなの意識や雰囲気は大きく変わり、実際私もその雰囲気に乗って集中を高め、成績を伸ばすことができました。友達と一緒に勉強することでお互いに切磋琢磨しながら成長できたし、振り返ってみると辛いながらもとても充実していて楽しかった時間でもありました。また、大学で話をしていても、意外と判定が悪いまま挑戦してきている人たちが多く、思ったよりも逆転して合格している人たちは多いと思います。私の学部が後期試験がないためというのはあるかもしれませんが、強く志望してあまり慌てることなく受験に臨んできた人たちが多いように感じます。たとえ思うようにいかなくても、気持ちをうまく切り替えながら、落ち着いて勉強に取り組んでみてください。安易に志望を下げるよりも、もしかすると良い集中力のまま生活できる場合もあるかもしれません。

 一人で勉強を続けることは、難しい問題になるほど大変になってくるし、精神的にもきついと思います。あまり一人で考え込みすぎずに先生方や友達と一緒に勉強を進めていく方が効率よい学びにもなる上に、記憶にも定着しやすい気がします。ぜひまわりの人たちをたくさん頼ってみてください。学校の授業や課外、塾など利用できるものは積極的に利用しながら頑張ってください。友達や家族との関わりも大切にしながら、ぜひ受験を乗り切っていってほしいと思います!