日本大、東北大、北海道大、和歌山大の小型副衛星飛ぶ:H-ⅡAロケット24号機

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日本大、東北大、北海道大、和歌山大の小型副衛星飛ぶ:H-ⅡAロケット24号機

 鹿児島県種子島宇宙センターから24日12時5分に打ち上げられたH-ⅡAロケット24号機ですが、主衛星である陸域観測技術衛星2号「だいち2号(ALOS-2)」を無事に切り離し、予定の軌道に投入したということです。

 主衛星であるだいち2号は、災害状況把握・国土管理・資源管理などを目的とした陸域観測技術衛星であり、H-ⅡAロケット8号機で打ち上げられ2011年5月まで運用された衛星「だいち」の後継として開発されました。

 今回の打ち上げには、主衛星である「だいち2号」のほかに、打ち上げ能力に余裕があったので、小型副衛星(ピギーパック)4機も同時に打ち上げられています。

 小型副衛星は、日本の宇宙開発のすそ野を広げるため、小型衛星を使った教育・人材育成を目的として選定され、今回は日本大学の「SPROUT」、東北大学の「雷神2(RISING-2)」、和歌山大の「UNIFORM-1」、㈱AESの「SOCRATES」が打ち上げられました。

 日本大学は、2006年と2008年にすでに小型人工衛星を開発し打ち上げを行っており、一機目は軌道に投入することはできませんでしたが、2機目の「SEEDS-Ⅱ」は今も学生が運用を続けています。今回の「SPROUT」は、次世代宇宙構造物の研究対象である複合膜面構造の実証実験を主目的とし、数kg級衛星用姿勢決定・制御技術の実証や複合膜面構造物による軌道降下率変化の予測、アマチュア無線家による衛星運用などを行う予定です。

 東北大学の「雷神2(RISING-2)」は、設計・制作・組み立ては東北大で行い、科学搭載機器は北海道大学が担当し制作されたもので、「高解像度地球撮影」、「高精度三軸姿勢制御」、「積乱雲の高解像度ステレオ撮像」、「高高度放電発光撮影」などのミッションを行います。衛星のデータの取得を初回の観測で成功し、衛星そのものが正常であることを確認したということで、1か月後の本格的な運用が待たれます。

 また、宇宙開発の産業化をメインテーマとしたUNIFORMプロジェクトを主導する和歌山大学の「UNIFORM-1」は、650㎞上空から地表の熱を検知し、多くの二酸化炭素を発生させる森林火災の早期発見を目的としています。午後2時には無事軌道に乗ったということで、今後この成功をもとに、他の多くの国がUNIFORMコンパチブルな衛星を運用できるよう支援し、それらのUNIFORM衛星群を連携させることにより、森林火災効果的な対処ができるようシステムを構築する方針だということです。