Sr90の迅速分析法運用開始:福島大学
福島大学は、同大の高貝准教授を中心とする研究グループが開発し実用化を進めていた放射性ストロンチウム90の分析装置を、東京電力福島第一原子力発電所で運用されることになったと発表しました。
放射性ストロンチウム90はベータ線のみを放出する核種であり、ガンマ線を出す放射性セシウムなどとは違い、複雑な分析作業が必要であり、また、原発事故に伴う放射性物質の測定には、分析感度が不十分であることや、ジルコニウム90やイットリウム90などのストロンチウム90と同重体を区別することができなかったということで、それらの課題に対処すべく新しい分析手法の開発が行われていました。
新しく開発された分析手法は、ICP-MS(高周波誘導結合プラズマ-質量分析装置)を基軸とし、ストロンチウム90の認識機能を装置内2か所に持たせ、妨害成分を完全除去し、ストロンチウム90に特化したものとなっています。
また、非密封放射性物質として管理が必要な放射性ストロンチウム標準溶液を使わずに分析するため、一般の環境分析機関でも測定することが可能であるほか、分析自体が全自動で行われるため、試料注入後の化学処理において、測定者が被ばくする危険がないということです。
分析は、1Bq/L以下まで検出可能で、資料によりますと測定時間は23分、検出下限は0.3Bq/Lとなっています。
[須賀川市の学習塾:数学館]