「かいじゅうたちのいるところ」モーリス・センダック
「かいじゅうたちのいるところ」は、モーリス・センダック(1928年~2012年)の代表作であり、1964年にアメリカで最も権威のある児童書の賞の一つであるコールデコット賞を受賞しています。
出版された当初は、主人公の自由な夢の世界の話に、読んだ子供に悪い影響を与えるという理由で、子どもを持つ親からは歓迎されず、かえって批判的な評価を受けていたようです。しかし、子どもたちからは強く支持され、大ヒットとなりました。
モーリス・センダックの画風は、19世紀の古典的なイラストレーションとディズニーの影響を受けてるといわれ、その独特の世界観は芸術的でありながら親しみを覚えます。
日本では、1966年に「いるいる おばけが すんでいる」という名前で出版されましたが、1975年になって神宮輝夫によって七五調だった訳を改め、新訳となってこの本が出版されました。
この訳本は100万部のベストセラーであり、子どもも大人も楽しめるすばらしい絵本です。
機会があるなら、原本(Where the Wild Things Are)にも触れていただきたい一冊です。